出雲大学駅伝で初優勝を果たした東京国際大学。選手の足元にはブルー&レッドの見慣れないシューズ。どうやら噂のニューモデル『アディゼロ匠戦8』のようです。
アディゼロ匠戦と言えば薄底の代表格のようなシューズでミムラボで有名な三村仁志氏が開発に携わり、現在は大森敏明氏が引き継ぎ??開発しているシューズです。
厚底の波
青山学院大学の箱根連覇とともにランニングシューズ界の王者に君臨していたアディダス(中でも最上位モデルの『匠戦』はキングだった)でしたが2018年ころから厚底シューズの波が押し寄せます。波はビッグウェーブとなりランニングシューズ界の景色を大きく変えてしまいました。
諸行無常
各メーカーが厚底シューズにシフトしていく中、アディダスは現行モデルとなる匠戦7を昨年末に発売します。これはこれでいいシューズなんです。でも、、、一度厚底シューズを履いてしまうと何か(主に反発&クッション)物足りない薄底シューズ。タイムもやはり厚底シューズの方が伸びる。匠戦だけは薄底路線を貫いてほしい気持ちはありますがどうやら厚底シューズにアップデートされる模様です。どちらかというと正統進化ではなく厚底シューズに『匠戦』のという名前をした厚底シューズといったイメージ。
スペック予想
そんな匠戦8ですがこの名前を付けるということはメーカーの意欲的で期待せずにはいられません。そんな匠戦8を出てきた情報から予想してみたいと思います。
反発
アディダスのランニングシューズでは既におなじみになったエナジーロッド。アディオスプロやボストン10、アバンチTYOにも搭載されている機能で評判も上々です。ここで重要なことはエナジーロッドがカーボン(アディオスプロ、プライムX)なのかグラスファイバー(アバンチTYO、ボストン10)なのかということ。カーボンであれば大きな反発が得られる一方、グラスファイバーならナチュラルで柔軟性のある反発になります。説明書きではカーボンとなっていますがエナジーロッドの色がアバンチTYOと同じオレンジなのでグラスファイバーの可能性が高いですね。バランスを考えればグラスファイバーがベストという結論なのでしょうか。アバンチTYOに近いナチュラルで癖のない反発が予想されます。
クッション
ミッドソール全体に施されたライトストライクプロ。これはアディオスプロと同じですが、厚さが33mmということで約20%薄くなりました。これはマラソン向けに作られたアディオスプロと5km~ハーフマラソン向けに作られた匠戦8の差別化でしょう。薄くなったことで取り回しが容易になり、アディオスプロの弱点だった高回転の走りが可能になると思われます。これって駅伝向けってことですよね。箱根駅伝は厳しいかもしれませんが高校駅伝では旋風を起こすかもしれません。
重さ
重さは27.0cmで約185g。匠戦7(170g)より約8%重く、アディオスプロ2(210g)より約12%軽くなっています。アディオスプロの重さはいただけないし匠戦の機能性は低いので両シューズの良いとこ取りの1足になりそうですね。
ライバル
ライバルは現状ヴェイパーフライ2になると思いますが、噂されるナイキ・ストリークフライが発売されればガチンコ対決になりそうですね。
価格
価格は税込み20,000円になるようです。厚底シューズなら安いですが薄底シューズなら高いので妥当なところでしょう。各メーカーが厚底シューズを続々発売しているためシュース価格は一時期より下落傾向です。フルスペックの厚底シューズも最終的には25,000円以内に収まるのではないかと思います。
希望
個人的な希望としては薄底シューズの開発も続けてもらいたいと思います。現状、薄底×カーボンのシューズで結果を残しているのはニューバランスのフューエルセル5280くらいでしょうか。アディダスには長い距離にも対応できて、ワクワクするような薄底シューズの発売を期待したいと思います。
まとめ
・アディオスプロの弱点だった重量を克服
・従来の匠戦の弱点だった足もちの改善
・ミッドソールを薄くして接地のリアクションを高め高回転に対応
・ライトストライクプロに足を守られながらエナジーロッドのアシストをもらえる
・日本人には嬉しい駅伝特化シューズ
・価格は高騰した厚底の中では良心的